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オプション取引 手仕舞いの方法(1)

オプション取引
Photo by Sean Sinclair on Unsplash
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原資産価格が期待している方向とは逆方向に大きく動いた場合、保有している売りポジションの権利行使価格と原資産価格との差額が満期までの期間に対して十分に離れていれば、満期まで何もせず、そのままにしておくという考え方はあります。しかしながら、逆方向に動いている間、オプション価格は上がり、証拠金額が上がりますので、預け入れ金額によっては、追証が発生します。場合によっては、多額の返済金が発生し、市場からの撤退を余儀なくされます。そうならないように、手仕舞いの方法を憶える必要があります。

損切り(ロスカット)

手仕舞いの方法の一つとして、損切り(ロスカット)があります。売り立て時のオプション価格の2倍、3倍に達したら決済する。または、売り建て時のオプション価格から、100円上昇、200円上昇したら決済するという方法です。

日経225平均価格を63,000円とすると、2023~2025年の3年間の日経225の1日の平均の変動幅は889円、1週間で1,971円、1カ月で4,104円です。

日経225の価格変動により、それを原資産とする日経225オプションの価格は変動します。デルタ0.1のオプションであれば、日経225が1,000円変動すれば、日経225オプションはその0.1倍の100円変動します。損切り金額があまりに小さいと、頻繁に損切りすることになりますので、日経225の変動幅を考慮して、損切り金額を設定するとよいでしょう。

事前に損切りの設定をして、機械的に損切りを行うのがよいと思います。損切り後は、上手くローリングをすることで、数回の取引で損失分を取り戻すことはできます。損失をそのままほったらかしにして、取り返しのつかないことにならないようにして下さい。

損切り金額の設定

日経225オプションを事例に、損切り金額をいくらに設定したらよいかシミュレーションをした。

2026年9月限、権利行使価格77,500円の日経225コールオプションを8月10日に104円で売り建てした。その時の日経225を67,000円と設定し、損切り金額\(LC\)と\(P/L\)との関係をシミュレーションした。日経225の標準偏差(ボラティリティ)\(\sigma=\)0.5, 1, 1.5, 2, 2.5のそれぞれで、売り建て日の8月10日から満期9月11日までのオプション価格の最大値を\(V_{max}\)、売り建て時のオプション価格104円を\(V_0\)として、以下の式で\(P/L\)を計算した。

\(\quad P/L=V_0 N(\sigma)-(V_{max}-V_0)(1-N(\sigma))\)
ただし、\(N(x)\)は標準正規分布の累積分布関数を表す。

\((V_{max}-V_0)\)を損切り金額\(LC\)として\(x\)値、\(P/L\)を\(y\)値としてプロットし、以下のグラフを得た。
今回の条件では、損切り金額150円以上で、最大利益の80%以上を得られることが分かった。損切り金額を上げれば、\(P/L\)は最大利益に近づいていくが、証拠金額が膨大になるので、損切り金額は150~300円付近が妥当と思われる。

オプションタイプ、権利行使価格、原資産価格、満期までの日数等の条件の違いで、妥当な損切り金額は変わるので、条件毎にシミュレーションすることが必要です。

両建て

損失が出ている売りオプションと同じ限月の同じ権利行使価格のオプションを、同じ口数買い建てる方法です。売りオプションの売り建て時の価格が100円、買いオプションの買い建て時の価格が250円であれば、その差額の150円が最大損失になります。もし、オプション価格が下がってきて、適切なタイミングで買いオプションを決済することができれば、損失を150円より下げることはできます。

例えば、オプション価格が150円まで下がってきた時に、買いオプションを決済すると100円の損失になります。そのまま価格が下がり続け、30円になった時に売りオプションを決済すると、70円の利益になります。70ー100=-30で合計の損失は、30円に抑えることができます。

しかしながら、オプション価格が下がってきて、買いオプションを決済したら、オプション価格が、逆に急上昇することは往々にしてあり得るので、決済のタイミングは難しいです。そういうもどかしさがあるので、筆者は両建てよりも、損切りで対処するようにしています。


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