ローリングの方法(2) プレミアム一定でローリングする
ショートストラングルの戦略(1)では、デルタ一定でのローリングについて説明した。本稿では、プレミアム一定でのローリングについて説明する。データは全てシミュレーションによる理論計算とした。
ローリングの方法として、初回の取引はコールとプットのデルタの絶対値を0.05、0.1および0.15の3通りを設定し、合成ポジションの利益率が70%になったところで反対売買にて決済した。その後は、満期まで初回のプレミアムと同程度のオプションを売り建て、ローリングを繰り返した。また、ローリングにより権利行使価格が、原資産価格の5,000円以内になった場合は、ローリングは終了とした。
■初回取引デルタ0.05
(初回)
2026年8月10日に日経225が67,000円の時に、以下の2026年9月限の日経225オプションを売り建て
① 権利行使価格77,500円のコールオプション1枚売り建て、プレミアム104円
② 権利行使価格56,000円のプットオプション1枚売り建て、プレミアム176円
計算に用いたパラメーターと1週間毎の損益のグラフを以下に示した。


その後、満期までローリングを2回行った。以下は1回目と2回目のローリングのポジションと利益計算の詳細である。合計で589,000円の利益を得た。
(ローリング1回目のポジション)
2026年8月20日に、以下の日経225オプションを売り建て
① 権利行使価格75,000円のコールオプション1枚売り建て、プレミアム110円
② 権利行使価格59,500円のプットオプション1枚売り建て、プレミアム172円
(ローリング2回目のポジション)
2026年8月31日に、以下の日経225オプションを売り建て
① 権利行使価格72,500円のコールオプション1枚売り建て、プレミアム101円
② 権利行使価格62,000円のプットオプション1枚売り建て、プレミアム179円
1回目の利益:(104+176)×1,000×0.7=196,000円
2回目の利益:(110+172)×1,000×0.7=197,000円
3回目の利益:(101+179)×1,000×0.7=196,000円
合計利益:433,000+317,000+234,000=589,000円
■初回取引デルタ0.10
(初回)
2026年8月10日に日経225が67,000円の時に、以下の2026年9月限の日経225オプションを売り建て
① 権利行使価格75,000円のコールオプション1枚売り建て、プレミアム248円
② 権利行使価格59,000円のプットオプション1枚売り建て、プレミアム370円
計算に用いたパラメーターと1週間毎の損益のグラフを以下に示した。


その後、満期までローリングを1回行った。以下はローリングのポジションと利益計算の詳細である。合計で855,000円の利益を得た。
(ローリング1回目のポジション)
2026年8月25日に、以下の日経225オプションを売り建て
① 権利行使価格72,000円のコールオプション1枚売り建て、プレミアム268円
② 権利行使価格62,000円のプットオプション1枚売り建て、プレミアム335円
1回目の利益:(248+370)×1,000×0.7=433,000円
2回目の利益:(268+335)×1,000×0.7=422,000円
合計利益:433,000+317,000+234,000=855,000円
■初回取引デルタ0.15
(初回)
2026年8月10日に日経225が67,000円の時に、以下の2026年9月限の日経225オプションを売り建て
① 権利行使価格73,500円のコールオプション1枚売り建て、プレミアム410円
② 権利行使価格60,500円のプットオプション1枚売り建て、プレミアム535円
計算に用いたパラメーターと1週間毎の損益のグラフを以下に示した。


ローリングできなかったので、初回売り建て分のみの結果となる。
1回目の利益:(410+535)×1,000×0.7=662,000円
合計利益:662,000円
■まとめ
初回取引0.15では、ローリング時の権利行使価格の原資産価格への近づく速度が非常に速いため、ローリングできなかった。高いプレミアム価格一定でローリングする方法は、損失リスクが高いためお勧めできない。

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